高圧受変電設備とは?

大きなビルや施設で電力需要が50kW以上見込まれる場合、発電所から高圧(6,600V)での受電が必要となります。
高圧の電気はそのまま使用することができないため、高圧6,600Vを100Vや200Vといった低電圧に変圧し、施設内で電気を使用できるようにする必要があります。その役割を担う設備こそが高圧受変電設備です。

責任分界点

責任分界点以降は原則、お客様の設備となり、設置しているビルや施設などの責任で管理しなくてはなりません。

責任分界点の画像
機器が引き起こす波及事故

電気は、電力会社の配電線より、住宅、オフィス、工場、病院、交通信号などの様々な箇所へ送られています。
このため、ひとたび配電線が停電すると接続しているすべての箇所が停電し、社会的に大きな影響をもたらしかねません。

そして、波及事故発生箇所の90%は、引込用の電柱(又は地中引込用開閉器)から主遮断装置の間の引込用ケーブルや主遮断装置等で発生しており、その原因の多くは保守不備による事故です。
このような事態に陥らないよう、定期的な波及事故防止対策に努めましょう。

波及事故の画像
波及事故発生箇所と波及事故原因の円グラフ
波及事故防止対策

区分開閉器の点検・更新

使用状況や設置環境により機器の劣化の進行速度は異なりますが、
屋外に設置された区分開閉器は設置から10年以上経過すると事故の発生が増加する傾向にあります。
そのため、定期な点検と、計画的な設備更新を行っていくことが大切です。

●目視点検
外箱の損傷、発錆、変形、変色、汚損がないか、碍子の破損、ひび割れ、汚損などがないか
●定期点検
操作確認や絶縁抵抗測定

区分開閉器の点検・更新の写真

ケーブルの点検・取替

高圧ケーブルの劣化はケーブル単体で起こることは少なく、
設置環境における他の要因が絡み合い劣化を引き起こすことがほとんどです。

代表的な劣化原因として、地中配管内に水が入る水トリ―現象があります。
厳しい環境の場合は「使用後15年」を目安に取替することを推奨しています。
ケーブルの劣化は突然停電が発生する可能性があるため 定期的な点検と、計画的な更新が重要です。

ケーブルの点検・取替の写真

キュービクル内の機器更新

キュービクル(自家用電気工作物)とは、高圧の電気を建物内で使えるように変圧する受電設備の事を言います。このキュービクルは様々な機器で構成されており、20~30年経過すると寿命を迎える部品も多くあります。一部部品の故障でもキュービクルそのものが使用できなくなることもあるため、この頃までにはキュービクル全体の機器更新をおすすめします。

キュービクル内の機器更新の写真

施工風景